【経営者の孤独】話せる人がいない恐怖に向き合えば経営は楽になる

経営者の最大の悩み・苦しみは「孤独の恐怖」
起業・経営で生まれる大きな問題の一つ。
「経営者は孤独・孤高」
「話せる相手がいない」
「話せる部下がいない」
「ビジネスパートナーを探しているがなかなかいない」
「資金繰りに関して本音で話せる人がいない」
私は様々な業界を転々として
たくさんの経営者と仕事をしたり、
より近い場所でサポートしたをのをきっかけに
プライベートや個人的な相談などいろんな話をしてきました。
共通して感じたのが、
信頼できる相手がいない
頼れる相手・助けてくれる人がいない
実は、誰もが気づいていない盲点であり本質。
「実際に人がいないこと」が問題ではないんです。
人間の潜在的恐怖「孤独感」が本質的問題です。
ビジネスの現場でトップ陣の経営を間近に見てきました。
経営は重大な責任と素早い決断力が問われます。
「経営にはスピード」と言って止まらずに走り続けます。
本当の意味で自分に向き合うには
経営こそ「立ち止まる勇気」が必要です。
ですが経営者で立ち止まった人を私は見たことがありません。
この不安・恐怖が過剰な経営者がほとんどです。
不安・恐怖の経営は自分を強く奮い立たせ一時的に爆発的な威力を発揮しますが、
後に苦しくなり長くは続きません。
「孤独感」の不安・恐怖が大きいと
人は視野狭窄に陥り信用してはいけない人を信用して、
一方で本来信頼できる部下を疑ってしまい
間違った人選・人事をしてしまいます。
結果、他の部下の信頼を失い多くの人が去ってしまい「本当の孤独」が訪れます。
不安・恐怖は思考(顕在意識)では解決できません。
潜在的に無意識下に不安・恐怖を持っています。
この記事を読んで
経営者の孤独感を癒して解決することこそが
「経営マインド」であり
信用できる人とビジネスができ
いろんな人に経営を支えてもらえる世界を掴むことができます。
経営者の「孤独感」は原体験にある
「相談する人がいない」という経営者の特徴
経営者にはサラリーマンと違ってある共通点があります。
ビジネスマンにはない経営者になれた特質・気質ですが、
そこに誰より孤独感を感じるようになったヒントがあります。
(※すべてに当てはまるの必要はなくいずれか当てはまる場合です)
- ワンマン社長
→経営や組織の仕組み化が下手で、人に仕事を頼まない・頼めない
→昭和の働き方をする(働き過ぎ・休みを積極的に取らない) - 自分ひとりですべての仕事と責任を抱える
→自分で仕事をした方が早い・安心と思いついやってしまう - 人の相談には乗るのは得意だが、自分が相談するのは苦手
もしくは相談をしたことがない - 責任感が強い
→強過ぎて押しつぶされそうになるくらい場合も含む - 人が信用できない
→起業・経営してからお金目的で近寄られてうんざりしている
→部下の裏切りに遭ったことが多い
この特徴は裏返すと
「一人で抱え込んで誰にも頼らず頑張ってしまう」
孤独感を感じやすい要因です。

これらは経営者から備わった能力と思う人がほとんどです。
ですが、家庭やパートナーシップなどプライベート、
ずっと前から普段でも同じような振る舞いをしています。
ということは、この特徴が備わったのは経営者からではなく
経営者の「半生・背景」で備わったということがわかります。
孤独感…
多くの人が遡ると、孤独感を感じることになって原体験は
実は、「幼少期」にあります。
【孤独感の原点】孤独感を感じた原体験「幼少期」
孤独感を感じることになった原体験「幼少期」
幼少期とは生まれてから10代までを指します。
実は心理・心理セラピーではこの幼少期(特に生まれてから6歳までの頃)で
人間に必要な自己肯定感や安心感、自己重要感、
人格の根底にある大事な価値観・信念が決まります。

目には見えないこれらの感覚が「無意識」として形成されます。
そしてこの幼いときに
孤独感や不安・恐怖の大きさも決まってしまいます。
【幼少期の原体験】孤独感を生んだきっかけ
今まで経営者と話してみたところ、
孤独感を感じた原体験「幼少期」の背景が見えてきました。
これは経営者に関わらず、「孤独感」が潜在的に強い人の原体験です。
(※下記列挙した幼少期の環境はすべて当てはまる必要はありません)
- 両親や一族の期待やプレッシャーがあった
→男尊女卑、家父長制・長男主義(後継ぎ問題)
→第一子・長男・長女など
※第二子以降でも第一子が機能せず両親の期待が
移った子どもも含む - 子ども時代に子どもらしく過ごせなかった
→子どもで家族・事業を切り盛りしてきた
→親や兄弟の面倒を見ていた(親子逆転)
父親・母親代わりをしていた
自分で自分の学費を稼いでいた
両親から世話役や家政婦扱いを受けていた - 社会や家庭内で孤立感を生む家庭環境
家庭内・社会両方で孤立していた
→依存症や精神疾患や病気の親を世話するヤングケアラー
→経済的貧困
→離婚・死別等で片親に育てられたため親との時間がなかった - 両親に「甘えさせてもらえなかった」「助けてもらえなかった」
上記の理由だけでなく家庭の事情で子どもとして甘えられなかった
→兄弟差別で自分だけ甘えられなかった
→両親・兄弟からの暴力・虐待・暴言など
→両親の離婚・再婚・ステップファミリーで居場所がなかった
継父・継母からの差別やいじめ - 衣食住は与えられているが、愛情や絆が希薄だった
特段家庭問題はなかっが、両親があまり子どもに興味がなかった
【孤独感の本質】「助けて」が言えない関係・家庭環境
【孤独感の心理】さみしい子ども時代を送った大人たち
これらの幼少期の環境で育った子どもは
安心できない家庭環境と両親のもとで育ち、常に愛情不足の状態です。
そして共通して誰にも助けてもらえなかった「助けて」が言えなかった環境です。
ひとりぼっちの寂しさ、見てくれなかった絶望感、家族に対する憤りや悔しさ、
辛い感情が愛情の欠如と共に解決されないまま
無意識に静かに積み重なっていき、そのまま大人になります。
これらの感情を心理セラピーでは解決されていない「未完了の感情」と呼びます。

心の傷「トラウマ」が孤独感の正体
孤独感の心理状態は「安心感」の正反対の感覚です。
「不安と恐怖」の心理状態にいます。
愛してくれるべき存在である両親が
小さな自分に対して、
構ってくれなかった、見てくれなかった
無条件で受け入れてくれなかった
全力で守ってくれなかった
できる自分もできない自分もどんな自分も
肯定して認めてくれなかった
いじめたり嘘ついたり助けてくれなかった
大変な家庭環境で感じた辛い感情によって
子供たちは無意識に学びます。
- 人は私を裏切る
- 人は信用できない
- 人はいつか離れていく
- 人は無条件に受け入れてくれない
- 頑張らなければ私は認められ、愛されない
- 人に頼ってはいけない
- 人に迷惑をかけてはいけない
私は迷惑な存在だ - 人は助けてくれない
幼少期の恐怖体験は「トラウマ」と呼びます。
「トラウマ」は震災や大きな事件・事故で生じるものだけではありません。
両親との関わりの中での恐怖体験について
「幼少期のトラウマ」と呼ばれており
その後の人生を大きく左右します。
それによって人や自分に対する前提(信念)、様々な価値観が生まれます。
「話せる人がいない」は問題の本質ではない
孤独感を解決しないで経営するデメリット
「助けを求める」行為が恐怖の強化行動になる
この前提や価値観のベースは「不安と恐怖」です。
「助けてが言えない」のは単なる遠慮ではありません。
助けを求めたら
裏切られるかもしれない
人は受け入れてくれないかもしれない
最も見たくない光景、絶望が待っているかもしれない
恐怖と絶望が待っていると潜在的にわかっているからこそ、
「助けを求める」こと自体が非常に怖い行為なのです。
「話せる人がいない」のが問題ではなく、
助けを求めたことがないからこそ話せる人がいないしそもそも誰に話したらいいかのかわからない
「孤独の恐怖」が問題の本質です。
親がいつも手を差し伸べてくれて安心感で満たされて育った大人は
素直に人を信頼して助けを求められます。
「孤独」にもなりません。
心理セラピストは「助けを求めろ」のようなアドバイスはしません。
恐怖が強いクライアントが無理にすること自体が
「強化行動」になってより恐怖が強くなってしまうからです。
まずは自分にはそれくらい潜在的恐怖があることに
気づくのが先です。

まずは行動する前に
無意識にある心の傷「トラウマ」になっている潜在的恐怖が
どこから来るのかを丁寧に見ていき
心理セラピーで癒す必要があります。
信じてはいけない人を信じたり、本来信頼できる大事な人を逃す
多くの企業や組織・コミュニティで見てきた共通事例
「取り巻き・マネージャー・トップ2」の人選を見誤ります。
これは強い「孤独感や寂しさ」「人間不信」から血迷った人選をします。
経営者の取り巻きには「YESマン」が近づきます。
とっても気持ちのいいことを言って相手を安心させます。
「孤独感」があると「受け入れてくれた」と感じてしまいます。
人は不安や恐怖が強いと視野が狭くなり冷静な判断ができません。
不安・恐怖を埋めるような「溺れる者は藁をも掴む」行動に出ます。
企業で背任・横領・詐欺・裏切りはこのようにして起こります。
本来信頼できる人は
耳の痛いことを言ってくれたり、YESマンではありません。
サラリーマン時代、背任や裏切りをするトップ2や経営陣から
影で嫌がらせを受けて辞めていく人たちの裏側をたくさん見てきました。
金銭や承認欲求目的の取り巻きは邪魔な人を排除したいからです。
経営における潜在的不安と恐怖は採用人事、
間違った取引先の選択まで影響を及ぼします。
「孤独感」を放っておくと
必要な人材が離れていき、本当の「孤独」になります。
「未完了の感情」が大人になって現実問題になる
「未完了の感情」は大人になって
現実の問題や心理状態として表れてきます。
「孤独感」はさみしさや誰にもわかってくれない悲しみが募ると
悔しさや怒りにまで変わります。
漠然とした不安感や、ふとしたさみしさや人恋しさ、イライラに変わっていきます。
その寂しさや怒りを仕事中毒やアルコール依存、ギャンブ依存で紛らわしたり
愛されない寂しさを浮気や不倫でバランスをとる人もいます。
事実、経営者には依存症やオーバーワークの人が多い傾向にあります。
ストレスや病気をも引き起こす場合もあります。
交流会・コーチングでも解決しない「孤独感」
ネット上やいろんなビジネスマンが提案する
従来の孤独感の解決法として
下記の方法が挙げられていますが、
根本解決にはならない理由と危険性を説明します。
交流会・商談会は参加者の「目的・動機」が違う
経営者の孤独感について
ネット上では「経営者のコミュニティ参加しろ」とあります。
これは真の解決策にはなりません。
異業種交流会、経営者のコミュニティ、
中小企業の経営者や決裁権のあるトップが
互いにビジネスを目的とした商談会など
様々なコミュニティがあります。
ビジネスコンサルを受けて参加したことがあります。
逆にサラリーマン時代は、
異業種交流会運営事業する広告代理店にいて
交流会の裏側を見たこともあります。
人は「心から信頼できる相手」と心で繋がった時に
孤独感が癒えたり、安心感を感じる生き物です。
交流会や商談会は
「ビジネス目的の利害関係が前提」のコミュニティです。
自分の売上を上げたい人や商談会で入会人数を増やして
コミュニティやトップ陣へ認めてほしい「承認欲求」の塊の人も多数います。
そしてトップも末端の人も承認欲求からぶつかり蹴落とし合う
コミュニティをたくさん見てきてました。
「あわよくば」という性加害目的のビジネスマンも混ざっています。
(念の為言っておくとこの手のビジネスに否定も肯定もしてません)
そのような人と心から信頼して繋がれますか?
そもそも繋がりたいですか?
私は繋がりたくありません(即答!)
そこから信頼できる人を探すのは「砂の中から針を探す」行為です。
真剣交際したい人が玉石混合の「出会い系マッチングアプリ」で
いきなり出会いを求めるのと同じです。無謀すぎます。
潜在的恐怖(トラウマ)を持ったまま
玉石混合の不特定多数の中に入るのは恐怖を強める「強化行動」です。
人に対して不信感が強い場合は、かえって傷つく恐れがあります。
コンサル・コーチングは解決したい「ゴール」が違う
コーチングは数値設定できる目標設定に向けての”行動レベル”での
提案を行います。感情にはあまりフォーカスせず、
思考の世界で目標設定に向かってアプローチするので効果的である一方、
人間の不安や恐怖や辛い感情に寄り添うのには適していません。
コンサルも同様で、従来の解決法の一方的な指示のみで解決は難しいです。
「潜在的恐怖」の解決が事業を自然に加速させる
ビジネスマンの間で「サウナで整う」が一時ブームになった理由、
フィジカル・メンタル面両方で整うということで流行りました。
メンタルを整える重要性がようやくビジネスに浸透しつつありますが
本当の方法を知らない人がほとんどです。
コロナ禍以降も、世界情勢や経済の悪化、AI進化など大きな変化の中にいます。
人は「不安・恐怖」を感じることを避けることはできません。
潜在的な「不安・恐怖」は人それぞれです。
心理セラピーは現実問題やお悩みにある「不安・恐怖」を取り扱います。
アプローチして癒していくと過剰な不安・恐怖が小さくなります。
それによって「安心感」が無意識下に育まれて視野が広がります。
「自分が繋がりたい人・信じたい人」を正しい見極めができ
自分から主体的に選んで大事な人と安心感と信頼で繋がれるようになります。
「心理が整う」と「ビジネスと人間関係が整う」
「現実が整う」流れです。
「不安・恐怖」の感覚を小さくすれば
目の前の現実や人間関係に正しく向き合えるようになり
「安心感」がベースになれば
ビジネスは自然に上向きにすることができます。
これこそが必要なメンタルだと心理セラピストとして感じています。
あなたのメンタルとビジネスの悩みが
根本から解決することを応援しています。